計算機システム第2研究室の研究課題について紹介します。

概要

 現在、計算機ネットワークは様々な場面で利用されています。これにより、
ネットワークを通じて様々なサービスが享受可能になりました。しかし、ネットワーク
の大規模・複雑化化に伴い、その管理には多大な労力が必要になりました。

 Layer-3グループでは、ネットワーク管理者が視覚的にネットワーク構成を把握
する為の、"ネットワーク構成情報表示システム"の開発・運用を行っています。
このシステムを利用することで、ルータやサブネットなどLayer-3(ネットワーク層)
レベルのネットワークの構成把握が容易になり、管理者の構成把握に関する負担
軽減が期待できます。

【システム構成】
 ネットワーク構成情報表示システムはルータやサブネットの情報を収集する
"構成情報収集部"と、構成情報収集部が作成したデータをユーザに提示
する"構成情報表示部"で構成されています。

ネットワーク構成情報表示システム
図1:ネットワーク構成情報表示システムの概念図

【平成23年度担当者】 : 伊藤 真、大河 一真、矢島 和男

【平成22年度担当者】 : 伊藤 真、児玉 哲志

構成情報収集部

 構成情報収集部では、ネットワークの接続状態を示すLSDB(Link State Data
Base)をルータから収集し、解析を行います。収集部で得られた解析結果を、構成
情報表示部に渡すことで、ネットワークの接続状況をグラフィカルに表示します。

 近年ではIPアドレスの枯渇等の問題により、IPv4からIPv6への移行が進められて います。本研究室でも、IPv6ネットワークの視覚化に取り組みました。 これにより、構成情報表示システムはIPv4とIPv6 の両方のプロトコルに対応可能になりました。

【平成23年度担当者】 : 伊藤 真

【平成22年度担当者】 : 児玉 哲志

構成情報表示部

 構成情報表示部はネットワーク構成情報表示システムのユーザ・インターフェース
(UI)やネットワークの構成把握を支援する各種機能を開発しています。
本システムは、自動配置アルゴリズムを用いて、ネットワーク構成図を最適化します。
 昨年度は、物理的な接続把握を目的とした、光ファイバー接続の可視化について研究を行いました。

自動配置前 自動配置後
図2:自動配置アルゴリズムの例(左図:実行前、右図:実行後)

 本年度は、自動配置アルゴリズムにおいて、ノードとリンクの重なりを防止するためベジェ曲線を 用いた、リンクバウンドアルゴリズムの改良と、ネットワークの重要な要素であるVLAN情報の可視化 について研究を行います。

【平成23年度担当者】 : 大河 一真、矢島 和男

【平成22年度担当者】 : 伊藤 真

論文など